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『幻術成功♪
後はお願いね、楽』
「オーケイ!!」
ゴルドライオンが硬直したのを確認して俺は穴を消しゴルドライオンの足を地面に出すと近くの樹に向かって全力で蹴り飛ばした。
ゴルドライオンは物凄い速さで飛んでいきぶつかった樹を揺した。
因みに穴を消した理由はあのまま蹴り飛ばしたら足が千切れると思ったからだ。
探知でゴルドライオンの生命反応を確かめる。
反応なし。
狩りは成功したが、
それは俺が初めて動物を殺したことを決定付ける反応結果だった。
俺はその場に座った。
すると、上から雅が降りてきて隣に座った。
「楽、大丈夫?」
「いや、ちょっと無理。
休ませて。」
「うん。ごめんね?私が頼んだ性で。」
それは違う。
「俺はOKしたからこれは俺の性だ。
雅、悪いけど素材の剥ぎ取り頼む。」
「分かった。ゆっくり休んでね。」
俺は声には出さず頷いて返した。
雅が剥ぎ取りに向かって考える。
覚悟はしてたつもりだった。
生き物を殺すということ。
この世界は弱肉強食の世界、
躊躇ったら自分が死ぬんだ。
もし俺が死んだら?
雅が一人になる。
恐らく悲しむだろう。
双子だしこの世界唯一の肉親なんだ。大体分かる。
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