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走りながら後ろを確認すると意外にも距離は離れていたってそういえば俺、転生したんだった。
そりゃ、ライオンぐらいすぐに引き離せるわな。
途中でゴルドライオンが追うのを諦めないように魔法を撃って挑発する。
案の定、ゴルドライオンは怒って走ってくる。
『雅、どうだ?見えてるか?』
雅に魔法の射程範囲内に入ったか聞く。
『大丈夫だよ。
一瞬でいいから動きを止めてくれる?その間に幻術で縛るから。』
『やってみるわ』
雅のいる樹の下で止まり振り返ると空腹と怒りを目に宿したゴルドライオンが走ってくる。
その場で待機しながら限界まで惹き付ける。
そして、限界までゴルドライオンが来たとき俺は地面に錬金術を使いゴルドライオンの四肢の下に4つの穴を作り落とした。
突然現れた落とし穴にゴルドライオンは驚き四肢が穴に嵌まった状態で止まった。
だが、それはほんの僅かなことですぐに俺の仕業と分かったのか俺を睨み付け咆哮を轟かした。
ゴルドライオンはそのまま穴から前足を出そうとするがもう手遅れだ。
リィーン
空気に溶けるかのような澄んだ鈴の音色が響いた。
それは怒りに燃えるゴルドライオンにも聞こえたようで一瞬顔上に上げたと思ったらピタッと止まり、声も出さずにそのまま硬直した。
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