ヒーロー

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「響也。」 私は、毎日昼休み、屋上に響也がいることを知っていて、ここに来た。 「そ・・・そら・・・ちゃん・・・」 響也はすごいものを見るような目で言う。 「ど・・・どうしたの・・・」 「どうしたのじゃない。見てわかんない?」 私は響也に傷口を見せる。 「・・・・・・ごめん・・・・・・」 「アンタ、私のヒーローなんでしょ?なんで助けないの?「ヒーローさん」。 響也は肩を震わせて黙り込む。 「ごめん・・・・助けられないのには理由があっt・・・」 私は響也が言い終わる前に口を挟む。 「理由って何?」 「・・・・・あいつが・・・龍一が・・・『助けたら、田崎のこと、酷い目に合わせるからな。今は引いといたほうがいいんじゃない?」って言うから・・・」 「ふぅん、そんなことで引いちゃうんだ。響也がそんな奴だったとは思わなかった。期待して悪かったね。」 そう言い残して私は屋上を後にした。 ・・・自分がそんなことをいうやつだとは思わなかった・・・
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