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「そら・・・ごめんね・・・」
母親はいつもそう言う。
反省のひとつもしていない癖に。
私を一人、置いていった父親も。
人殺しの母親も。
同情して慰める親戚も。
母親のことで私を虐めるクラスメイトも。
私は、そんな「他人」が大っ嫌いだ。
田崎 そら
この夏、17歳になる。
10年前、母は人殺しを犯し、すぐに刑務所入り。
その1年後、父親は母親にとうとう耐えられなくなり、私を置いて出て行った。
その後、私は親戚に保護された。
それから私は「他人嫌い」になった。
同情して慰めるけど、いつも親戚は言う。
「同情じゃあないわよ?」
でも私には同情としか考えられなかった。
私は慰められても意味などないし、同情されても毎回うざがるだけだ。
私のクラスメイトだって。
小学生の頃から、私は「人殺しの子供」と言われ、虐められ続けてきた。
母は「赤の他人」で、なんの関係もない。
私と母は何も関係ないのに、他人なのに、何故母のことで虐めるのだろうか。
私は何か悪いことをしただろうか?
だが、もう今になっては虐められることなど慣れたようなものだ。
そんな「他人嫌い」な私の脳内に
「お隣さん」
がやってくることなど、知る由もない。
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