他人嫌い

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―午前6時― 「今日から・・・か。」 私は制服を見つめながら呟く。 今日から桜高高校に転入することになったからだ。 今まで田舎に住んでいた私たちだが、高校入学を期に、親戚のおじさんが転勤ということで都会に引っ越して来た。 またあんな日々が始まるのかと思うと肩が震える。 都会といえば、チャラい男女を思い浮かべる。 まだ親戚の道場の方がマシかもしれない。 最初は質問攻めで「仲良くなろう」と思ってるんだろうけど、母親が人殺しということを知ると、すぐイジメが始まるに違いない。 そんなことを思いながらも準備を終え、朝食を食べると、家を出た。 慣れない制服は、胸元にリボンがついており、夏服だから白い半袖Tシャツ。 肌色のベストに、スカートは白と灰色っぽい色の チェック柄という、可愛らしい感じ。 「可愛い」というものにはあまり慣れないので、 なんだか着心地が不思議な感じだ。 そんなことを考えながら歩いていると、 「わぁ~~~っ!あっぶね!」 という声が背後から聞こえた。 ぼーっとしてたせいか、自転車が後ろにいることに気がつかなかったようだ。 「あっぶなかったぁ・・・おねーさんごめんねー! ・・・て、その制服・・・俺と同じ学校だー!」 チャラめな感じの男はチャラめな口調で言う。 「えーと・・・桜高高校の人・・・?」 私は恐る恐る聞く。 「そだよ~。おねーさんもそうでしょっ!その制服、女子の夏服だも~ん!」 私の目にはその男は頭の上に「♪」を浮かべているように見えてしまう。 「ず・・・随分詳しいんだねぇ・・・」 「だって女子の制服って男子にとって目の保養じゃない?そーゆーのは見とかなきゃね~!w」 その男はノリノリで話す。 「あ、遅れたね。俺、柴田 響也!おねーさんは?」 「えっと・・・田崎 そら・・・です・・・」 この男、私にとっては苦手だ・・・ こうゆう奴にはこうゆう態度になってしまうのも私の特徴である。 「そらちゃんか~よろしくね~っ! まっ、同クラになったら、さ。よろしくねっ♪」 響也という男はそれだけ言い残し、自転車を走らせた。 私はこらの高校生活が散々な事になるという予感がしていた。 私の予想は的中していたのだった・・・
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