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次の日は、比較的体調が良かった。
この分だともう動いても大丈夫かもしれない。
「ぜんぶ、優華のおかげだよ」
僕はそう言って、桶の上で布を絞る優華に微笑みかけた。
この4日間、優華は本当によくしてくれた。
僕の手助けをしたいと言ってくれた。
常に僕のそばにいて、熱を冷ますための布を毎回変えてくれた。
彼女には感謝してもしきれない。
とはいえ、体をふく作業でさえ自分がすると言い張る彼女を説得するのは大変だった。
結局僕の肌を見た彼女は――おそらく初めての経験だったのだろう――慌てて眼をそらし動かなくなったので、僕はそこでやっと彼女の説得に成功したのだった。
「ありがとう」
すると、彼女は恥ずかしそうに俯いた。
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