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時折不審な行動は見受けられた。 その行動の意味が知りたくて、僕は昔から僕に仕える者に、彼女の行動を探らせていた。 彼女の裏切りを聞き知ってもなお、僕には彼女を疑うことができなかった。 彼女のいつもの真摯な態度からは、そのような裏切りの気配は感じられなかった。 彼女は熱心に僕の看病をしてくれることもあったし、僕には、それが演技には思えなかったのだ。   だから、今回のは賭けだった。   さきという侍女を捕らえるよう命じたのは僕だ。   優華が侍女になにか紙の束を渡しているのを僕は見てしまった。 彼女がもし僕を裏切っていたのならば、侍女が動くのはもうすぐ。   その予想が当たり、報告を受けた時、僕の頭は真っ白になった。   優華に裏切られていた。 そればかりが僕の頭をぐるぐると廻った。   でも、今の彼女の姿は、絶対に嘘じゃない。   痛々しい彼女の姿に、自分がどれだけひどいことをしたのかを思い知らされた。   そっと、彼女の髪を優しく梳く。 「…ごめんね…」   僕はその言葉が彼女の耳に届いていないことを知っていながら、それでも謝らずにはいられなかった。
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