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成長したその棟梁の息子は、蓮見家を復興した。
蓮見家は、夢梨家に忠誠を誓った。
臣下に下ったのだ。
そのため、夢梨家は蓮見家に手を出すことができなかった。
しかしそんな蓮見家が動いた。
反乱を起こし、東の土地を手に入れたのだ。
その戦の場で先帝は深手を負い、帰らぬ人となった。
その騒ぎに乗じて蓮見家は、あれは反乱ではなかったのだと言い始めた。
もともとの東の土地の領主と揉め、それで戦になった。
駆けつけた官軍を相手の領主の援軍だと思い戦ってしまったのだと。
東の領主はもう死んでいた。
確かめるすべはない。
だが、明らかに蓮見家の言い分には無理があった。
あの戦は双方ともに痛手を負った。
勝利を見いだせなかった蓮見家は、次の機会を待つためにそんな下手な嘘をついた。
それでも、正式に謝罪を出し、そのわびとして東の土地だけでなく自らの土地の返上まで申し出れば、夢梨家としては表立ってこれ以上彼らを追及することはできない。
その上、蓮見家は和平の証として、自らの子供たちを人質同然に差し出すと言ってきた。
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