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魔王城の中心地。
広さは中学校の体育館並みの
魔王の玉座でおこなわれていた、世界の命運をかけた一心不乱の戦いが今終わりを告げた。
立っているのはただ一人
人族の、人間の剣士だけだ。
その身にはドラゴンの鎧を付け、見れるのはまさに満身創痍、目や耳、頬、左腕、至る所から血がだらだらと、そして右足は変な方向に曲がっている。生きているのが不思議なくらいな状態に陥っていた。
だがその者は気力のみで立ち、目の前にいる魔王を見ている。
崩れていくように倒れる魔王を、油断無く見ていた。
その時に魔王は言葉を遺した
「終わらん、いつまでも恐怖しろ、英雄……」
そして魔王が完全に死に絶えたのを確認した後、ゆっくりと力尽きるかのように床の上に座り込んだ。
「話しかけんな……」
魔族は力は人間よりもはるかに強い反面、利己的な者や個人主義の者が多い。
魔王の力によってまとめられていたにすぎない軍はこれによって崩れいくだろう…
この戦いで人族は半分の死者がでたがもう魔族は怖くない…人族は救われた、その実感が沸く。
「終わ、った……」
だが、喜びと言うものは無だった
この勝利の為に、これまでに失ったものは大きすぎた。
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