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「頼むから余計な事を――っ!?」
「あっ……」
アイハが彼女を止めにかかった時、反射的に体を反応させたミディアは、装置のスイッチを誤って押してしまった。
『作動かいしあぃうどあいsぢゅあいsdyが9』
「まずいっ!」
バチバチッ、と、放電音が耳へ届き、同時に装置から黒煙が昇り始める。
スープにより回線の一部がショートしてしまったのだろうが、今はそれを気にしている場合では無かった。
――どうにかして止めないと!
未完成の重力制御システムが誤作動を起こせば何が起こるか分からない。
慌てて駆け寄るアイハだが、不安は形となって現れてしまった。
「これは……うわぁぁぁっ!?」
装置から黒い渦が発生し、駆け寄っていたアイハはその中へ吸い込まれてしまった。
『転送がかんっりゃsが……』
誰もいなくなった室内で、静かに重力制御システムが停止する音のみが響いていた。
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