目覚めの時

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ある少女は深海で ある少女はマグマの中で ある少女は森の中で ある少女は氷塊の中で ある少女は土の中で ある少女は電気の中で 眠りについた。 生みの親である母に会えることを願って。 「はっ!俺はどうなって………?」 変な夢を見た気がしつつも体を起こす。 「背中見てみたら?」 「うおっ!ビビッた!って背中?」 突然アルスが視界に入ってくるもんだからねぇ… しかし何事かと思い背中を見ると…… 「え?羽、ないやん………。」 「思い出したら?あたしがアキラに何したか。」 記憶を探る。 (たしか羽をどうにかするって言ってて、それから……) 「思い出したわね。ところであたしすっごくお腹減ってんだけど。何か食べさせてくれない?」 「ああ、ちょっと待ってろ。すぐ作るから。」 テッテレッテッテッテン テン! 上手に出来したぁー! さてと、 「「いただきまーす」」 パクッと一口 「うん、今日も良くできた!」 「ホント。アキラって料理上手なんだね~。」 「まぁ、一人暮らしだからねぇ」 アルスが両親は?と不思議そうに訪ねる。 「どっか行っちまったよ。」 俺が簡潔に答えるとアルスは、そう、悪かったわね……。と顔を伏せて言った。 「あー、何というか、生きてると思うぞあの二人は。色々おかしいからな。」 アルスがあんたもね、と呟いていたことはスルーしよう。 「ところで俺って結構寝てたんだな。朝に寝てしまって今はもう夕方か……。」 ピンポーン 突然玄関のチャイムが鳴る。 「おろ?誰かな?」 夏をもうすぐ迎える今は日が長い。 だが今の時刻は6時くらい。 誰かな? と思いつつ… ガチャ、と玄関のドアを開けると…… 「うげ…委員長……。」 「うげ、とは失礼ね。二日も休むから溜まったプリントとか持ってきてあげたのに。」 扉の向こうにいたのは彰のクラスの委員長≪柊桃花≫(ひいらぎももか)だった。
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