3人が本棚に入れています
本棚に追加
ある少女は深海で
ある少女はマグマの中で
ある少女は森の中で
ある少女は氷塊の中で
ある少女は土の中で
ある少女は電気の中で
眠りについた。
生みの親である母に会えることを願って。
「はっ!俺はどうなって………?」
変な夢を見た気がしつつも体を起こす。
「背中見てみたら?」
「うおっ!ビビッた!って背中?」
突然アルスが視界に入ってくるもんだからねぇ…
しかし何事かと思い背中を見ると……
「え?羽、ないやん………。」
「思い出したら?あたしがアキラに何したか。」
記憶を探る。
(たしか羽をどうにかするって言ってて、それから……)
「思い出したわね。ところであたしすっごくお腹減ってんだけど。何か食べさせてくれない?」
「ああ、ちょっと待ってろ。すぐ作るから。」
テッテレッテッテッテン テン!
上手に出来したぁー!
さてと、
「「いただきまーす」」
パクッと一口
「うん、今日も良くできた!」
「ホント。アキラって料理上手なんだね~。」
「まぁ、一人暮らしだからねぇ」
アルスが両親は?と不思議そうに訪ねる。
「どっか行っちまったよ。」
俺が簡潔に答えるとアルスは、そう、悪かったわね……。と顔を伏せて言った。
「あー、何というか、生きてると思うぞあの二人は。色々おかしいからな。」
アルスがあんたもね、と呟いていたことはスルーしよう。
「ところで俺って結構寝てたんだな。朝に寝てしまって今はもう夕方か……。」
ピンポーン
突然玄関のチャイムが鳴る。
「おろ?誰かな?」
夏をもうすぐ迎える今は日が長い。
だが今の時刻は6時くらい。
誰かな?
と思いつつ…
ガチャ、と玄関のドアを開けると……
「うげ…委員長……。」
「うげ、とは失礼ね。二日も休むから溜まったプリントとか持ってきてあげたのに。」
扉の向こうにいたのは彰のクラスの委員長≪柊桃花≫(ひいらぎももか)だった。
最初のコメントを投稿しよう!