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「それでこれが溜まってたプリントね。」
ドサッと玄関にプリントの束が置かれる。
(オイオイオイオイオイオイどんだけあんだよコレェ………)
30枚はあるだろう。
大変だったんだからね、と委員長は言う。
しかし!ここで俺は選択を間違えていたことに気づく。
だが、もう遅い。
委員長にとっては誤解の塊とも言えようものが、来てしまう。
「アキラ~?だれその人?」
アルスェ
何のこのこ出てきてんだよ!
変な誤解を生むだろうが!
そこで妙に可愛らしく首を傾げんなっつーの!
「え……?彰君?誰その子?ま、まさか………誘拐……?」
ちょっとーーーーー!!まてまてまtttttt何でそんなに話が飛躍しちゃうの?
最早誤解どころじゃねぇ!
いや、ここで焦ってはいけない。
落ち着け、落ち着くんだ。
どう説明しようか………。
チラッとアルスの方を見る。
まだ今の状況を理解していない。
委員長を見る。
いまだ驚愕の表情を保ちつつブツブツいっている。
覚悟を決めろ!
「あ、あのだな委員長。コイツは親戚の子供なんだが、訳あって俺の家に住むことになったんだ。」
アルスに話を合わせろ!と、目で訴える。
「そ、そうなのよ。あたし鈴峰アルスって言うの。よろしくね~。」
ふぅ、何とかなった、かな?
「はっ!あ、ああ、うん。よろしくね。アルス。」
何とかなった。
……そういえば頼むことがあったんだっった。
「ちょっと頼みたいことがあるんだけどさ、今夕食なんだ。ついでに食べてけよ。」
「ええ、いいわよ。彰君の料理美味しいし。」
(女としては悔しいんだけどね)
そんな心の声は届くはずもない。
3人で再び食卓を囲む
「「「いただきます!」」」
「うん、やっぱ美味しいわね。さすが彰君。」
まず委員長。
「このサラダも美味しい!」
次いでアルス。
ここまで美味しいと言ってくれると作った側としては嬉しい限りだ。
「ところでさぁ、彰君の言ってた頼みたい事ってのは?」
「ああ、アルスを学校に行けるようにして欲しいんだ。」
「それで私に、かぁ。分かった、おじいちゃんに聞いてみるね。たぶんOKだと思うけど。」
委員長のおじいちゃんは何を隠そう俺の通う学校の校長なんだと。
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