目覚めの時

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ところで、と委員長。 「アルスっていつ彰君の家に来たの?」 「ん~今日の朝ね。」 それを聞いた途端、委員長の目が光ったのを俺は見た。 「だったらぁ、今日何で彰君が休んだか知ってる?私が知る限り彰君は病気なんかで2日も休むほどヤワじゃ無いんだけど。」 こっちチラチラ見なが喋んな! しかも妙にニヤニヤしてるし! アルスよ!余計な事言うなよ……! どうにか誤魔化せ! 「ん~とね、確か、背中にぃ、は……… ええええええ!? そこドストレートに言っちゃう? 言わないでーーーー! 今度病院の人みたいな対応されたら心が折れるわ! ………は、鼻水が付いて取れなくなったからだってさ。ププッ。」 ………それはそれで何か嫌だぁぁぁぁぁぁ!! しかも自分で言ったくせに最後の「ププッ」って何だよ! 馬鹿にしやがって…… うっわ、何その顔。どうよ?みたいに得意げにしやがって! 「プッ、フフフフッ、あっはっはっはっはっは。何それ~。」 お前も何信じててんだよ! 「んで結局その背中に付いた鼻水、取れたの?」 次の質問がそれかよ! 「ああ、うん、取れましたよ……。綺麗さっぱりと。」 言ってて凄くハズカシイ……… 「それじゃあ明日は学校に来れるのね?」 すかさず委員長。 魂まで委員長なんじゃないのか? 「明日はちゃんといくさ。アルスも行くんだからな。」 「え?あたしも?手続きとか制服とかは?」 「そこは問題無いわ。手続きは今日中に終わるし、制服は明日の朝に私が届けに来るから。」 届けに来てくれるのか。 気前がいいねぇ! 「桃花って、アキラと家近いの?」 そういえば説明してなかったな。 アルスに、隣だ隣、と指さす。 「そゆこと。それじゃあそろそろ帰るわ。」 「「「ご馳走様でした」」」 ☆玄関で☆ 「送っていこうか?」 「何言ってんの、隣じゃない。」 「暗いから気をつけろよ。」 「何言ってんの、隣じゃない。」 アルスは思った。 (何なの?この二人……。)
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