プロローグ 11月5日(月曜日)

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だが非常に哀れなことに、マサにはその素晴らしさが理解できないらしい。 「高校デビューとか言って、君は髪を染めただろ?」 「ああ、そうだな」 「メガネも新しく買いかえた」 「ダークレッドのプラスチックフレーム。レンズの下部分にフレームがないハーフリムタイプだ」 「けど君はただの変人でしかない。不良っぽいだけ。そう、DQNッポイドだ」 「がくっぽいどみたいな言い方止めろ」 「とにかくだよ。見た目DQNの君が女子にメガネかけてコールするのは、異常な光景としか言いようがない」 マサの言っていることが分からない訳ではない。 実際、髪を染めたことで生徒会から目をつけられている。 それだけで不良だといわれるのは心外だが。 不良というのはリーゼントに特攻隊みたいな特注品の長ランを着て、ヤンキー座りを道のど真ん中で堂々とやるやつのことだ。 そんな奴、このご時世にいないだろ? まぁ女子からはメガネをかけさせようとする変人みたいに思われたりしているが。 だがそこまで好き勝手言われる覚えもない。 すぐに反論を返す。
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