プロローグ 11月5日(月曜日)

12/52
前へ
/422ページ
次へ
「お前、学年のマドンナ平坂碧海(ヒラサカアオイ)に告られて、何て断ったんだっけ?」 「えっと、リアルはちょっと無理かな、だったかな」 「三次元全否定!!」 またも思わず突っ込んでしまった。だがこれが崎本雅信なのだ。 二次元を理由に三次元を断る男なのだ。 イケメンの無駄遣いにもほどがある。典型的なザンメンだ。 マサは少し困った表情を浮かべて言った。 「だってさぁ。碧海ちゃんと話したこと全くないのに、いきなり告られたんだよ。OKを出すのは早くない?」 「違う!!俺が言ってるのは、お前の断り方だ!!」 「やっぱり、ちょっと言い方がキツかったかな」 「そりゃキツいぞ。まさか二次元と比べられるとは思わなかっただろうな」 マサはそんな感覚など微塵もないようで、不思議そうに首を傾げるだけだ。 呆れ果てて、もう突っ込む気力すら残ってない。
/422ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加