プロローグ 11月5日(月曜日)

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「君だって、別に好きでもない子と付き合いたくないだろ?」 「そりゃそうだけどさ。理由がどうして二次元なんだよ」 「僕は美少女が出てくる恋愛ゲームが大好きだ」 何を今さら。 「ああ、知ってる」 「ああいうゲームじゃあさ、選んだヒロインと少しずつ距離を縮めていくんだ。昼休みにごはんを二人きりで食べたり、土日には遊びに行ったりしてね」 俺は恋愛シュミレーションなどやったことはないが、大抵はそういう感じなのだろうというのは分かる。 「だからかなぁ。恋愛にはそういったベタな展開は必須だと思ってる。友達から始まって、やがては互いに惹かれ合う。そんな恋愛に憧れるんだ。だからほとんど見ず知らずの人にいきなり告白されても、OKする気にはなれないんだよ」 中々にピュアなことを言うじゃないか。 「友達からじゃ駄目なのか?」 「んー。始めに告白されてると、ああ、この子は僕を惹かせようとしてこういうことをしてるんだなって思っちゃうんだ。ゲームの幼馴染みにも片想い設定はよくあるけど、主人公はそのことを知らない。だからドキドキするんだよ。まぁ僕に幼馴染みなんかいないんだけどね」 まぁ言いたいことが分からないわけではない。
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