11月11日(日曜日)

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「・・・・・」 だが、不思議なことに高揚感はない。 自分でもおかしいと思えるほど。 待ちに待った瞬間だというのに、何故だろう。 優奈が言ったように、わざわざ約束を取り付けてまでメガネをかけさせようとしたのに。 まさか、不満なのか?これだけの逸材にメガネをかけてもらえるというのに、俺は心の何処かで何かが足りないと思っているのか? 楓を見る。いきなり黙りこくった俺を、さも不思議そうに見返した。 やはり美人だと思う。 ・・・・・ああ、そうか。 考えると、すぐに分かった。 「優奈。この際だから1つ注文がある」 「注文?」 「笑ってもらえるか」 その言葉に、楓は「はい?」と首をかしげた。
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