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「・・・・・」
だが、不思議なことに高揚感はない。
自分でもおかしいと思えるほど。
待ちに待った瞬間だというのに、何故だろう。
優奈が言ったように、わざわざ約束を取り付けてまでメガネをかけさせようとしたのに。
まさか、不満なのか?これだけの逸材にメガネをかけてもらえるというのに、俺は心の何処かで何かが足りないと思っているのか?
楓を見る。いきなり黙りこくった俺を、さも不思議そうに見返した。
やはり美人だと思う。
・・・・・ああ、そうか。
考えると、すぐに分かった。
「優奈。この際だから1つ注文がある」
「注文?」
「笑ってもらえるか」
その言葉に、楓は「はい?」と首をかしげた。
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