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と、その時だ。
「二人とも、チョコのところにいたの」
優奈がどこからかやってきた。口にしている飴細工はおそらくしっぱい太郎のものだろうが、もう原型は留めていないだろう。
「それじゃあ、私は他の所見てくるから」
楓は早々に立ち去っていく。優奈の質問攻めを恐れてのことだろう。それを止めるようなことはしない。
そんなことなど露知らず、優奈は言うのだ。
「あれ、楓ちゃんどこに行くんだろう?」
「さぁな」
「というか、二人で何してたの?」
「はははっ、秘密だ」
「え!?何それ、ズルいズルいズルい!!」
今見た光景を忘れないように、脳裏に刻みつけておこう。
こうして俺の一週間は、無事に幕を閉じた。
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