11月11日(日曜日)

65/65
前へ
/422ページ
次へ
と、その時だ。 「二人とも、チョコのところにいたの」 優奈がどこからかやってきた。口にしている飴細工はおそらくしっぱい太郎のものだろうが、もう原型は留めていないだろう。 「それじゃあ、私は他の所見てくるから」 楓は早々に立ち去っていく。優奈の質問攻めを恐れてのことだろう。それを止めるようなことはしない。 そんなことなど露知らず、優奈は言うのだ。 「あれ、楓ちゃんどこに行くんだろう?」 「さぁな」 「というか、二人で何してたの?」 「はははっ、秘密だ」 「え!?何それ、ズルいズルいズルい!!」 今見た光景を忘れないように、脳裏に刻みつけておこう。 こうして俺の一週間は、無事に幕を閉じた。
/422ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加