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「翔は祥一さんとよく似ている。地元も同じで、名字も一緒。ここまで言えば、僕が何をいいたいのか分かるだろ?」
「・・・・・さぁ?」
マサは演技なのかふらりとよろけ、「よくそんなので解決できたね」と前置きすると、
「だからさ。君が祥一さんの弟であるということは、楓ちゃんには十分察しがつくんじゃないかってこと。となると実はこの一週間、楓ちゃんの自作自演なのかもしれない」
いきなりの衝撃発言に、俺は理由もなく否定を返してしまう。
「まさか」
だが、マサに話を遮られる。
「話は最後まで聞いてからにしてくれよ。君のメガネに対する偏屈な愛は、よくも悪くも広まってる。君が思う以上に、君の知名度は高いんだ。
楓ちゃんが噂にならない影とするなら、翔は太陽そのもの。太陽からすれば影なんて気にならないだろうけど、影からすれば太陽はこれ以上なく目立つ。
だから、僕はこう思ったんだ。楓ちゃんは君が祥一さんの弟だということに気付いていて、メガネ女子が好きであることも知っていた。だから、約束を結んだんじゃないかって。じゃあ、何のために約束を結んだかなんだけど、どう思う?」
それに対する解答が、俺には1つしか思い付かない。
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