エピローグ11月11日(日曜日)

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マサは言った。 「楓ちゃんは癖のある子だからね。素直になれないんじゃないのかな」 ああ、そうさ。楓は素直じゃない奴だ。 返す言葉もない。黙りこくった俺をみて、マサは言う。 「あくまで僕の予想だよ。ただ、君に話しかけられてからの展開が妙に早すぎる気がしてね」 それに関しては俺もおかしいと思っていた。 運命みたいなやつを感じてしまうほど、良くできた展開だと。 これが敷かれたレールの上だとしたなら、納得出来る。 その時、 「おはよう、二人とも」 凜と透き通った声が聞こえた。振り向けば、今日も変わらぬ清楚な佇まい。黒髪をなびかせるは学年のマドンナ、平坂碧海だ。 その表情はマサと対照的に明るい。 途端に、マサの顔が強張る。
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