48人が本棚に入れています
本棚に追加
「やぁ、おはよう。君、家はこっちの方じゃないだろう?」
その声が微かに震えていた。月曜の朝だというのに、マサの顔は病人のように青白い。
「うふふ。だって、カップルは登下校を共にするものでしょう?距離なんて気にしないわ」
その言葉を理解するのに、丸々一分はかかった。
二人の言葉が行き交いする中、やっとのこと俺は言葉をひねり出すことが出来た。
「・・・・・カップリング、成立したのか?」
「違う!!話せば長くなるけど・・・・・・」
マサの口が、碧海の一睨みで固まった。
「そうなの。本当に、翔君には感謝してもしきれない。また今度、何かおごってあげる」
「頼むよ翔!!奢り分チャラにしてもいいから、僕の話を・・・・・」
なるほど、マサの顔色が悪いわけだ。何があったのかは知るよしもないが、こんな展開になろうとは。
・・・・・いや、待てよ。
碧海は約束のことを、苛ついていた楓から聞いていたと言った。
だが、本当は違うのではないか?
最初のコメントを投稿しよう!