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マサの推理もどきのせいで、どうにも疑り深くなってしまった。
だが、一度発展した妄想は止まることをしらない。
碧海はマサと付き合いたかった。もっと言うなら、結婚まで考えていた。
ここで碧海と楓には1つの利害が発生する。
俺だ。
もしマサの言う通りなのだとした場合、監視役と関わらずに一週間を過ごしてしまえば、楓の目的は達せられない。
監視役から何の情報も得ることが出来ないからだ。
だから、碧海に監視役をあえてリークさせることで、さらに踏み込めるようにしたのではないか?
碧海は俺の視線に気付いたのか、笑みを返した。
小悪魔のような笑み。まるで今さら気づいたのとでも嘲笑うかのよう。最も、それは俺が勝手に思っているだけで、真実とは限らない。
「・・・・・ははっ」
だが、もしそうだとしたなら、二人の目的は見事に達せられていることになる。
脱帽だ、言葉もでない。なら、それなりの敬意を払うべきだ。
「まぁ、そういうことなら俺は一人でいこうかな。どうぞ、二人でごゆっくり」
マサの悲鳴ともとれる言葉を背に、俺は歩き出す。
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