33人が本棚に入れています
本棚に追加
「あたしも、満(みつる)と付き合い始めた時そう だったもん。もう毎日満の事ばっか考えてた し、会いたくてたまんなかったし。ちょっと目 が合っただけで恥ずかしくてドキドキしたり さ。まぁ、そんなの最初だけなんだけどね」
数ヶ月前に別れた、鈴ちゃんの元カレの話しを 聞かされて、あまりにも自分の今の状況と似て いる事に、私はやっと気づかされる。
そして会うのが3回目となった今日、隣りに座 る斗真君にチラリと視線を向ければ。
「なに?どうしたの?」
バッチリ目が合ったまま微笑まれて……。
「な、なんでもないです」
恥ずかしさのあまり反らした視線は、開かれた 本のページに落とされた。
―――これが、恋……。 私は、斗真君が好き……。
意識すればするほど、きごちなくなってしま う。
週に1度だけ、図書館でしか会えない人。
始めはそれでも良かった。
会えるだけで、話せるだけで、それだけでいい と思っていたのに。
これが恋だと気づいた時。
もっと会いたいと思ってしまう。
もっと一緒にいたいと思ってしまう。
相手の特別になりたいと願ってしまう。
最初のコメントを投稿しよう!