折るどころかさらに立つ

25/30
前へ
/98ページ
次へ
「「すっごーい!なんで?なんで分かったのー?」」 双子はとても嬉しそうにしながら、俺の手をとる。 「なんでって……いくら、お二人が似ているからって、全て同じというわけではないじゃないですか。」 「「具体的には?」」 「色先輩が若干たれ目で、黒先輩が若干つり目なとこですかね。僅かな差ですけど。」 「「ふふっ、吉野遊!改めて気に入ったよ!」」 「だからさ」 「僕らと」 「「友達になって!」」 「喜んで。」 俺がそう言うと、草花兄弟は嬉しそうに、俺の手を握ってぶんぶんと振る。 その可愛さに悶えていると、腕の動きがピタッと止まって、二人が恥ずかしそうに、もじもじし始めた。 もじもじとか可愛いなぁ、もう! 「あ、あのね」 「吉野遊のこと」 「「遊って呼んでもいい?」」 なっ!?眉を下げて上目遣いだと!? 可愛すぎるじゃないかこんちくしょう!! 俺は迷うことなく「はい」と返事をした。 可愛いは正義。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

842人が本棚に入れています
本棚に追加