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「えっ…?」
目を見開いて俺をみるサク。その顔に満足して、満面の笑みでこう答える。
「俺を落としてからね?」
「っ…………あぁ…いつか絶対落としてみせる」
そう言って、いつもみたいに笑うサクに安堵する。
よかった………友達に戻れなかったらどうしようかと思った…。なんせ、ここに着て、初めての友達だし。
安心してふにゃーんってなってる俺を眺めてたサクが、急に「あ…」と声を出す。
「?サク、どうしたん?」
「新入生歓迎会。」
そのワードを聞いて、サァ…と血の気が引いていく俺の顔を、両手で挟んで、優しい顔でサクが言う。
「大丈夫……俺が守るから……ね?」
「…うん」
顔を赤くして頷く俺をよそに、俺の手を取り「行こっ」と言い笑うサクに、俺はうつむきながら、小さな声で返事をするしかなかった。
どうやらさっきの一件のせいで、サクを意識しはじめてしまったらしい。
さっきも同じようなこと言われたけど、ここまでドキドキしなかった。
身体が熱い。手汗かいちゃってるから、手をはなしたいけど……はなしたくない。このまま繋いでたい。
…ノンケってなんだろう…
そう思った。
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