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城がある。
それは、真っ白な煉瓦で出来た重厚な城だった。
その城の回りには広大な庭があり、様々な木々や花々が植えられ色とりどりの姿を見せる。
その庭を囲うように城壁があり、さらにその城壁の回りを囲うように城下町が広がっている。
その城下町の一ヶ所、開けた土地に公園があった。そこは、中央に噴水があり幾つか長椅子が置いてある。
今、その椅子の1つに腰掛けながら紙芝居を始めようとしている初老の男性がいる。すると、近くにいた子供たちが集まって来る。
おじいさんの回りに集まった子供たちは、とても元気一杯で跳び跳ねたり走ったりしている。
おじいさんは、そんな子供たちを見て微笑みながら、自分の座る長椅子の空いている場所に置いてあるござを子供たちに渡す。
子供たちにはそれが何なのか解っている様でおじいさんの近くの地面にそれを置くとその上に座る。
すると、ある子供がおじいさんに質問をする。
子供A
「かみしばいのおじいさん。きょうは、なんのおはなしをしてくれるの?」
おじいさん
「今日は、ワシらの今住んどる国、ヘルトラントが出来た時のお話しをするのじゃよ」
子供B
「はやくはやく!!」
おじいさん
「ほっほっほ。わかった、わかった。では、始めるかの」
おじいさんがそう言うと子供たちは静かに、おじいさんと紙芝居に注目する。
おじいさん
「昔々、まだ人の国が出来ていなかった頃、このマジアアースの世界中は悪魔たちに支配されていました…」
子供C
「あくまってなに」
おじいさん
「悪魔はの、常闇の者の命令によって動く、常闇の者の僕じゃ」
子供A
「とこやみのものってなに?」
おじいさん
「常闇の者とは、悪魔たちの頂点に君臨する…悪魔たちの王の事じゃよ。さて、他に質問はないかのぉ?」
子供A
「とこやみのものってつよい?」
おじいさん
「それはそれは強いんじゃよ」
子供B
「なにがあったの?」
おじいさん
「ほっほっほ。それをこれから話すからのぉ」
子供達
『はーい!』
元気に答える子供たちを見ると老人は微笑ましげに笑う。
おじいさん
「ほっほっほ。では続きを話すかの…。世界中は悪魔たちに支配されていました…」
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