プロローグ

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その頃のマジアアースは、国など無く人間も含めた様々な種族が奴隷として酷い扱いをされていた。 悪魔たちは鞭を使い人々に重労働をさせる。人々は皆、悪魔たちを憎んでいたが、魔法を使える悪魔たちに手も足も出ない。 人々が何度と無く起こす反乱は毎回、ことごとく叩き潰される結末を迎えるのである。 そんな中、悪魔たちにも潰す事の出来ない種族があった。 強力な魔法の力を持って産まれてくるエルフと強靭な武器や防具を作り身を固めたドワーフである。 この種族の反乱は毎回長引き泥沼化する。そして、悪魔たちでは手に負えないと見るや常闇の者が突然現れる。 常闇は、たった1人で反乱軍を壊滅させる程の力を持っていた。 このため、常闇の者が現れたら速やかに撤退し、逃げなければならない。なぜなら、下手をすると全滅しかねないからだ。 さて、毎日の重労働に嫌気の指した若者が悪魔たちの目を盗み逃げ出した。 見つかれば、その場で死ぬことになるわけだが、それでも逃げ出す者は後を絶たない。 逃げ出した者の中で助かった者は、今まで1人もいない。皆、悪魔たちに見つかり同じ結末を迎えている。 今回逃げ出した若者も本来なら、そうなる筈であった。この若者が身を隠すために逃げ込んだ森で、ある人物に会わなければ…。
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