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「ふうむ、それはそうと、まずリーダーは王と呼称するのはどうじゃ? カッコいいじゃろう!」
「そんな話題も出ていない」
「!?」
「だから僕を驚かさないでくれ……」
「なら少しはそれらしい顔ぐらいして欲しいものじゃのう……」
「……出来れば苦労しない」
ふーん、と、僕の苦言を聞き流すサキュバスさん。よくここまで不遜な態度が取れるものだな……。僕のノミの心臓ではとても無理そうだ。
僕はこれ以上ボケを天丼されたくないので、気になっていたことを聞いてみる。
「……気になっていたんだが、何故これほどまでに僕を執拗に誘うんだ」
「よ、夜這いに来たわけではない!」
「いや、それは分かっている。というか今更過ぎるだろうそれは」
いや、そういう誘うじゃなくて。
「何故、僕を連合に誘うんだ。それどころか、僕の連合に入ってまで、僕を引き込もうとする。僕はただの人間で、何の能力も、魔法も、超能力も、異能も、外法も、魔道も、使えないんだぞ。そう、言ったじゃないか」
はっきり言って、僕なんか役立たずだろう。
そう言おうとしたが、それを言うのは、惨めで。言葉に詰まる。
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