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「……これだから王女は」
「い、いきなりなんじゃ。不敬罪に処すぞ」
「……ここはキミの国じゃない。変態の国、日本だ」
「ちょっと待て、サラッと自国を卑下しなかったか!?」
「……事実だ。日本には変態しかいない。そこの机も変態だ」
「無機物もか!?」
「……ああ。この机は日夜、女生徒に蹴られ、座られ、撫でられると、ツヤツヤと輝いてくる種類の木が原材料だ」
「な、なんじゃと!? そ、そんな珍妙は植物が繁殖しているのか、この世界では……」
「……それと、外に咲いているたんぽぽと呼ばれる花は、人に寄生する」
「なななななんじゃと!? 超危険ではないか!」
「……寄生された人間は、頭から大きなたんぽぽの花が咲く。だけだ。見た目が可愛くなる」
「それだけ!?」
「……そして三日もすれば取れる」
「すごい! なんて無害なんじゃ!」
「……因みに、この話には続きがある」
「ほう、なんじゃなんじゃ」
「……この話は、嘘」
「……………………は?」
「……そして、机の件についても嘘。実は日本が変態の国と言われているのはちょっと本当。でもほとんど嘘の部類だ」
「…………た、謀りおったな―――!」
サキュバスさんは憤慨する。微笑ましい。ただバンバン背中を叩くのはやめていただきたい。痛い。
そして、僕は気付いた。会話が、出来ている……!
なんということだ、これほどまでに、饒舌に喋ることが今まで出来ただろうか。いや、ない。初めてだ。なんて世界は美しい……!
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