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「何かゴメンねぇー?
私、クラス替えの日から昨日まで風邪引いてて今日が進級してから初登校なんだよね~」
鞄から新しい教科書を出しながら軽い感じで少年に詫びを入れる笑顔の少女
「…って勉強熱心ですねぇ~」
数学の問題集を解く少年を見て呟く少女
それから数日後――
この日の昼休みから俺は厄介な奴に付き纏われる事になってしまった。
昼休み―
「あ~お腹すいたぁー」
メロンパンとグレープフルーツジュースが入ったコンビニ袋を鞄から取り出した少女の机に違うクラスから二人の女子生徒が弁当を持ってやって来る
「莵茶魅(うさみ)~
会いたかったよ、私がいなくて寂しくなかった?」
椅子に座る少女に金髪で短髪のハーフ顔の女子生徒がハグする
「もぉー瑞希(みずき)は~」
瑞希のハグを呆れた様に押し退ける莵茶魅
「莵茶魅に瑞希がハグするのは毎回の恒例ですからねぇ」
二人の様子を弁当の蓋を開けながら眼鏡の女子生徒が言う
「凪嘉(なぎか)も分かってるんなら瑞希とめてよ」
たんたんと弁当を食べる凪嘉にメロンパンの袋を開けて言う莵茶魅
「とめろと言われましても瑞希が莵茶魅にハグするのは文化の違いだから私は無理にはとめられないなぁ」
明白に棒読みでメロンパンを食べる莵茶魅に言う凪嘉
「そういえば聞いたよ~?莵茶魅
新学期早々、自分の席間違えたんだって~」
「そうなんだよねぇ
でも隣の男子が……っていないか」
少年の席を見る莵茶魅
「もしかして莵茶魅の隣の奴って……
陰キャで数学の問題集ずっとやってる真面目君?」
「そうだよ、何で分かったの?瑞希」
「そりゃ、机に掛かってるあの鞄を見れば同じクラスになった人は誰だって分かるよ」
少年の机に掛けられた鞄を指差す瑞希
「瑞希、莵茶魅は早乙女(さおとめ)君と同じクラスになった事ないから知らなくて当たり前だよ」
「でも親切に私の席を教えてくれたよ?」
「その時、ソイツ喋った?」
「あ~…メモ用紙に書いて教えてくれたけど…」
「そうなんだよね~
アイツ、顔はイケメンっぽいんだけど先生とか誰かが話し掛けても絶対に喋んなくてメモ用紙に書いたり、無視したりするからあんまり関わらない方がいいよ?莵茶魅」
「それって喋らないんじゃなくて、病気とかで喋れないんじゃないの…?」
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