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恋の終わりのさよならよりも
恋の途中のさよならの方がずっと痛い。
ごめん、と何度も謝るあなた。
あたしが欲しいのはそんな言葉じゃないのに。
空から落ちる雨はまるであたしの涙みたいに。
後から後から溢れて止まらなくて。
あなたが呟いた言葉だけが無意味な形となって、心の奥を刺した。
思えばケンカばかりだったね。
上手く好きって伝えられなかったね。
それでもあたし、あなたが大好きだったの。
幸せ、って数え切れないくらい思えたの。
ずっと同じ想いを紡いでいくって難しいんだね。
「ねぇ、」
突然口を開いたから、あなたは驚いた顔であたしを見る。
なに?って聞き返してくれる声はいつもと変わらないのに
それでももう二度愛しさは含んでくれない。
「あたし、あなたのことが大好きだったよ」
だからこれがあなたにつく最後の嘘。
「さよなら」
さよなら、大好きだった人。
だからもう悲しそうな顔で別れ話をしないで。
さよならの唄
(最後まで悲しいラブソング)
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