第1章 ダンジョンマスター始動

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「軍やギルドによる積極的な討伐を極力避けることを考えれば混迷地帯が地域的には最適ですね。」 「ああ、政情的にはベストだな。人的被害を出しても、本格的に討伐しようと動き出すのにも時間がかかるだろう。あとは地形や魔物の生態・分布、近くの街道・村・町だな。」 政府などの動きは荒れている混迷地帯が一番ないだろうから、そこは確定でいいだろう。ギルドの実力者というのも自由に動けるから、安定した地域を選ぶはずだ。個人的には東大陸の都市に行ってみたいが、それは長期的な目標だな。 「地形としては、混迷地帯北部の原生林地帯でいいと思います。視覚的な隠蔽は奇襲にも役立ちますし。あとは魔物、魔物を狩りにきた冒険者、一般人、どれを狙うかで決まりますね。」 「セレーナはどれが一番いいと思う?」 自分ではそこは決めきれないので、セレーナの意見を聞く。それを元に考えていくの一番効率がいい。決して面倒なわけではない。 「わたしは、一般人をメインにすべきだと思います。対象にする町や村は少し奥地のものを選んで、開放場所自体は町や村をつなぐ道、もしくは周辺の川辺などの、村や町からは少しだけ離れた場所がいいでしょう。魔物も同時に狙え、人を殺しても魔物による隠蔽がしやすいはずです。」 なるほど、確かにその通りだな。ただいくつか疑問も残る。 「大方賛成だ。ただあんまり奥地の村や水辺を選ぶと、最初はいいが、その後地上エリアの拡大で次の人里まで時間がかからないか?それに奥地だと人的被害がでた周辺には人が来なくなりそうだ。」 「そうですね、気付きませんでした。じゃあ開放場所的には水辺ではなく道周辺ですね。それも少し行方不明者がでても通る人が途絶えないような。そうなると少し大きな町の近くになってしまいますが。」 「仕方ない。扉が見つからなければダンジョンではなく魔物だと思われるだろうから大丈夫だろう。ダンジョンとも決まらずに見破れるレベルの実力者が派遣されるとも思いにくいしな。」 「それならあとは、条件にあった場所をコアに示してもらうだけですね。」
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