第1章 ダンジョンマスター始動

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「コア、今から言う条件の該当箇所をイメージ上で示せ。 混迷地域北部、できればその中でも東よりの原生林地帯であること。それなりの頻度、ただしひっきりなしではなく途切れ途切れに人が通る街道周囲であること。セレーナが対処可能な範囲を中心に多くの魔物が周辺を通ること。以上だ。」 セレーナと考えたことをコアに伝える。この把握能力が常に使えれば便利なんだが、これが使えるのは開放場所設置目的のみみたいだ。今はまだこの部屋は空間上をさまよっているような状態だからこそ可能らしい。 サー。条件該当箇所を検索します・・・複数発見したため、最も条件に当てはまる箇所を表示します。 現れたイメージからすると混迷地帯では北東の端に位置するシイム王国だ。西側にはカッシー王国、南にはポートラン王国が接している。さらに詳しい情報をあげさせると、南のポートラン王国とは、混迷地帯では珍しく同盟を結んでいるが、ジェノス帝国の影響を大きく受ける西のカッシー王国とは争いを繰り返しているようだ。ポートラン王国との同盟もおそらくこのためだ。そのせいで戦争中で国力は低下しているが、それでも内政的には混迷地帯では珍しくまともで内部は安定しているみたいだ。ポイントとしてはそのシイム王国の中でも西側の中心都市と東部の首都の間の街道付近だ。どちらかといえば、西よりの地点。 条件としては最適な位置であることを感じ、セレーナも安心したようだ。 「理想に近い場所が見つかりましたね。内政がまともだから内部の流通は頻繁でしょうし、国力は低下気味で西部の守りが必要だから、軍隊の派兵もあまりなさそうです。人の住む地域までは遠そうですが、街道沿いにエリアを拡大すれば無駄にはなりませんし。」 「まったくだ。条件を絞りすぎたかと思ったが見つかってよかった。」 「あとは開放して地上エリアを広げるだけですが、早速開放されますか?」 そうしようと最初は思っていたが、疲れたな。命がかかってると思うと、まだ安全でもやはり緊張がある。休むことも大事か。 「いや、今日はやめとこう。ただでさえ色々真剣に決めて、疲れもある。開放した当初は多分何もなくても緊張が続くはずだからな。開放は明日にしよう。今日は一緒にゆっくりすごそう。」 この言葉だけでセレーナは最高の笑顔を見せてくれる。本当に創造最高だな。
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