第1章 ダンジョンマスター始動

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セレーナサイド 私は光の中で創造されました。まぶたの裏のまぶしさが弱まるのを感じて目を開けます。生まれた場所は何もない真っ白な小部屋でした。部屋の中には私と目の前のマスターの二人だけです。こちら見つめるマスターが尋ねてきます。 「おれが君を創造したマスターだが、そのことはわかっているか?」 なぜかはわかりません。ですが、自分が生まれたことに気付いたときには、さまざまな知識があり、そして目の前の方こそが私の創造主、そしてマスターであることを理解していました。 「はい、マスター。私を創造していただきありがとうございます。この命、つくってくださったマスターのために使う所存です。」 このとき、すでにマスターへの忠誠心が私を満たしているのも当たり前です。こちらをジッと見るマスターの視線も私の忠誠心を試すものだと思っていました。だからこそのこの回答だったのですが。 「ありがとう。だが君は俺のパートナーにするために生み出した。ダンジョン全体の相談から家事などまでやってもらうつもりだが、このダンジョンでは唯一おれと最も対等に近い存在になってもらいたい。まあまだほかのやつは創造していないんだが。」 こんなこと、マスターのパートナーなどと、言われてしまったら、平常心が保てるはずがありません。マスターによって最初に創造された存在であるというだけでも冷静であり続ける自信などないというのに。 「本当によろしいのですか。私などがマスターのパートナーなど。」 声や表情も抑えようとしているが、自分の声が抑えきれず若干震えている気がします。顔もにやけていないでしょうか。 「ああ、先ほども言ったが、そのために君を作ったんだ。いろいろやることも山積みだけど、よろしく頼むよ。」 これほどうれしいことがあるでしょうか。忠誠心に加え、今ではマスターへの愛が自分の中にこの短い時間でうまれてきているのが実感できます。 「はい!マスター。これからよろしくお願いします。」 わたしがマスターにつき従う、まさに第一歩でした。マスターとの時は全てが思い出となるでしょうが、今後これほど鮮明に残り続けるものもないでしょう。
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