第1章 ダンジョンマスター始動

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マスター、いえゴッドは力あふれる創造主のような存在、いえ私にとってはまさに創造主そのものでありながら、やさしさにあふれたお方です。わたしが、 「わたしはマスターに創られた存在ですので、マスター。名づけていただけませんか?マスターの名前も教えてほしいです。パートナーとして。」 と言うと、セレーナという名、そして私の厚かましさにすら答えハートというゴッドと共有する姓を下さりました、そしてご自身の名前すら私にゆだねてくださったのです。ゴッドという我ながら安直な名前しか浮かびませんでした。それでも喜んでくださるのは慈愛とも言うべきものからでしょうか。 ゴッドは私にとって敬愛の対象であることは変わりませんが、ゴッドのそのやさしさが御身を滅ぼすことにならないか、など不安にもなりました。だからこそゴッドが隠蔽を希望されたとき、命をかけて守ろうと決意しつつ、より確実にしようと、洞窟などの偽造ダンジョンを提案したのです。 そこで私はゴッドの本当の力に気付きました。本当の強みは、その能力ではなく、それを行使する知略なのだと。注目されすぎず、それでいてダンジョン内で殺す。これを満たそうとしたとき、正直偽造ダンジョンなどはだれでも思いつくものでしょう。しかしゴッドはこの考えの裏をいったのです。わたしのいった偽造ダンジョンとは、あくまでダンジョンを自然風にすることです。これは内部を細かく設定できる代わりに、ポイント消費がおおきいです。それに対し、ゴッドの偽造ダンジョンとは、自然にそのままダンジョンとしての性格を持たせようというものでした。こちらは広範囲に少ないポイント消費でダンジョンを広げられます。これならば拡大すればするほど、自動的にポイントが入ってくるようになるでしょう。同じように見えてまったく違うこの後者の案を咄嗟に思いつく知性。身が震えました。 すぐに必要だと思われる情報をコアに確認します。その際自分のポイントを確認し、さらに忠誠と愛が深まったのはいうまでもありません。今まで以上の覚悟で、このお方のお役に立とう。そう思えました。 その日の終わり、私が 「ゴッド、出ましたよ。お風呂、すごい気持ちよかったです。次は一緒に入ってくださいね。」 とねだったのも、少しばかり私欲も入っていましたが、本質はゴッドの疲れをお風呂で癒してさしあげようというものです、もちろん。
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