わたしのくろ。

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現実は冷たく もう一人の私も冷たく 地面も冷たい どれくらい冷たいかと言うと、 現実はもう一人の私というよく分からない存在に人を殺させ、 もう一人の私は戦いと殺しで気が済んだのか、深夜2時という時間によく分からない場所で身体を私に明け渡す。 そして、まだ肌寒い4月の深夜に私は裸足だ。 慣れ親しんだ絶望に心も身体も包まれながら私は帰る道を探す。 手に持った黒い剣はアスファルトに突き刺して置いていく。 大した力も込めずに深々と刺さるんだから、恐ろしい剣だよ。 私の剣は。 早く帰らなくちゃ、誰に見つかっても大変だ。 最悪なのは警察だな。 血が目立たないように黒い服を着ているけど、職質されたらアウトだろう。 人生終わってしまう。 人生終わる前にもう人として終わってるんだけどね。 笑えねー。 分かる? 毎晩勝手に部屋を飛び出すもう一人の自分の為に、毎日毎日黒いパジャマを着続ける私の気持ち。 二階の窓から飛び降りてくれるから、私はいつも裸足でさ。 隠してた鍵で家に入ってさ、ビクビクしながら足を洗ってさ。 毎日夕ご飯食べてから外に鍵を隠してるんだよ。 壊れそうだよ。 壊れそうだ。 家に帰った私は部屋の隅で毛布に包まれながら、もう流すのに飽きた涙を流しながら朝を待つんだ。
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