おわりのとき。

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私は今日もそれらしい誰かを装って学校に通う。 挨拶して、自分の席に着いて友達でない誰かに合わせて会話する。 だって、そうでしょ。 本当の自分の姿をさらせないのに友達なんて出来る訳がない。 別にいいけどね。 もう馴れたし。 今日は全校集会が朝からあるんだって、人の波に乗って体育館に行って列に習って座る。 校長先生の話、みんな興味なくて退屈そうだけど、私には普段の会話と大して変わらない。 興味ないのは同じだから。 ・・・ん? なんだ、壇上に私服の男が上がってるぞ。 ニット帽を深く被って・・・手には包丁? 少し遅れて、ざわめきの波が起きる。 だけど、遅い。 遅すぎるな。 ほら、男の包丁が校長を貫いた。 大きな悲鳴が起こった。 現実と非現実の境目が分からなくなる。 これは、リアルなのだろうか?
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