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「いやぁ……まさか彼の伝説の御方がですよ? まさか延々と襲名されて居たとは……。さすがのぷりちぃ五代目光姫琥太郎もびっくりですよ」
どこか人を喰ったような態度の男がニヤリと笑う。
「ねぇ? 六代目毒婦マチルダ」
こじんまりした店内にコーヒーの香りが漂う。
「ああ……いい具合だ」
そう言いながら、男がカップにコーヒーを注ぐ。
「どうぞ。光姫すぺさるブレンドです」
にこりと笑うその男から、コーヒーを受け取る。
「ありがとうございます」
「あ、砂糖とミルクはいかがですか? 六代目」
「いや、私、コーヒーはブラックの人だから……」
「ほほぅ……。六代目……ツウですな」
ツウかどうかは知らないけど……
「あの……マスター……」
「ノンノン」
男が人差し指をちっちっと顔の前で振る。
「マスターなんて他人行儀……ダメですよ? 僕のことは五代目ぷりちぃ光姫琥太郎とお呼びください」
……呼べるかいな。
長ぇし。
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