ある日~ヘドロ

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「お~いこっちこっち」と少し弾んだ声でコンクリートで出来た土手の向こうから『マサル』が皆を呼んでいる マサルに呼ばれた皆の頭によぎるのは「何かいい物見付けたな」と思いつつ「どうした~?」とマサルの周りに寄ってくる マサルとは四人組の一番年上で頭も良くいつも六つも離れた弟『ミツオ』の面倒を見ている案外優しい奴でもある 逆に弟のミツオはマサルとは反対であまり頭のデキは良くなく 四人組の中で最年少で一番ワガママな金魚のフン的存在だったりする 皆がマサルの周り来るとマサルは 「この辺りにボールとかコーラ瓶が結構落ちてるから探してみな」と皆に呼び掛け 自慢気に拾ったヘドロまみれのボールや瓶を皆に見せている ボールは自分たちの遊び道具にするのに 瓶は洗って酒屋に持っていき現金と交換してもらい自分たちの小遣いにするアイテムだ 当時のコーラ等は容器が瓶なのが主流だったので以外とその辺に落ちていた
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