火の国

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二人は木の国で滞在していたキャラバンの情報を頼りに火の国を目指していた ジ「なぁ…」 ロ「ん?」 ジ「国って幾つあるんだ?」 ロ「うーん…まず俺達の母国『木の国』、今向かってる『火の国』、あとは『水の国』、『土の国』、『金の国』があるようだが…」 ジ「早めに知りたいもんだな、『出生の意味』…お前は火の国へ行ったら、その後はどうするんだ?」 ロキは照れて答えた ロ「夢を叶える」 ジ「夢?」 ロ「世界地図を作ろうと思うんだ」 ジ「さっき言ってた国全部廻るのか?!」 ロ「まぁそうなるかな」 ジ「目の眩むような話だな…」 ロ「お前の旅も大層な旅になるんじゃないか?」 ジ「案外火の国で解るかも知れないぜ?」 ロ「そうなったら俺が困るじゃないか」 笑いながら歩いていると、赤い髪の少女が寄って来た 少女「木の国の方ですか?」 ジ「あぁ…どうした?」 少女はその場で地に伏せ、懇願した 少女「お願いです!私達を、火の国を救って下さい!」 ロキはその場にテントを建て、休憩がてら少女の話を聞いていた 少女の名は[サラ]といった ジ「それで、木の力を貸してほしいと」 サ「焦土になってる国土はいつまで経っても植物が育たないんです…」 ロ「でもおかしいな…いくら土が焼けてるからって、正しく種を肥やせばいずれ芽は出るはずなんだが…」 サ「それが…」 ジ「出ないから俺達の力を借りたいと…でも虫が良過ぎないか?無理な条約を迫り、結ばれないと分かれば攻め入り、それでいて助けて下さいか…」 サラは俯いてしまった ロ「おぃ…」 ジ「だってよ…」 サ「確かに、理不尽な願いではあります…皆変わってしまった…」 ロ「何?」 サラは話し始めた サ「数年前は豊かとは言えませんが、火の国にも緑がありました。そんな中、私は両親と二人の兄の五人で慎ましやかに暮らしていました。当時の王は民を愛し、平和を愛する理想の王でした」 ジ・ロ「…」 サ「でしたが、それを思わしくない派閥がありました…今の王、[アレフ]率いる過激派組織でした。」 ___________ ロ「で、その内乱で政権が交代し、その内乱の傷痕で火の国の焦土があると…」 ジ「政治のことはよく分からん…」 サ「それだけではありません、以前とは違い火の国は軍事国家となってしまい、両親は戦火に巻き込まれ行方不明…二人の兄は徴兵されていきました…」
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