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「なんで闘えるのに異能を使えんのだ、お主は‼」
ここ一週間で聞き飽きた。能力はあるのに使えない。そんな状態が続いてた。
修行の間、戦闘技術は向上したが異能の方はさっぱりだった。
「ややこしい事は簡単にしおるくせに、何故異能を使えんのだ」
「俺にもさっぱり解らん」「お主には無理なのかもしれん」
「良いよ、力なんか無くても生きていける」
「それがいかんのだ、お前は‼」
「あ~、ハイハイ」
そしてその晩、寝てる奴をぐるぐる巻にして俺は山を下った。
久々の村は居心地がよかった。村の人は良い人だし、クリスと戯れるのも楽しかった。
そう、それは正に「束の間の平穏」ってヤツだったのだろう。
そして平穏は終わりを告げる。残酷な血の雨を降らせながら……。
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