覚醒

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暗く重い雲が地を舐めるように流れ、風も無いのに木々がざわめいている。 ―嫌な胸騒ぎがしやがる― 烏が空を覆うくらい羽ばたき、とても爽やかな朝は来そうになかった。 外で悲鳴が上がる。 そこにはズタズタになった肉塊と異様な気配を纏った男がいた…‼ 「ミツケタ…、ヤット見ツケた…」 「異能、コロス…」 そんな事を言ったと思った瞬間、男が獣のようにとんだ… 地面が斬れる。避けるのは簡単だったが当たれば死ぬのも理解した。男の爪は空を裂き地を斬りながら、迫る。 殴ろうが蹴ろうがお構いなしに斬り続ける。 いくら攻撃しても効かない事に希望を失った時、俺の近くを奴の爪以外のものが通った…
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