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懐古は此処らでお終いにして、今後のことに目を向ける。
この世界は二度目は元の世界に帰してくれない。つまり、二度目のトリップでその世界の住人になるに等しいってこと。
実際にそういう人間も見てきた。主に勇者召喚されちゃった青年とか。
で、俺は今青年たちとおんなじ状況に置かれている。
つまり何が言いたいかといえば、俺はこの世界で生きていかなくちゃならないってこと。
時空だとか世界だとか、何とも壮大なお話だけれども、そういうワケで俺はもう帰れないワケで。
「キー?」
こんなに長い間外に出ることは滅多にないので、リートが驚いている。
「ああ、もう隠れなくていいんだよ」
「キー!キーっ、キー!」
ぴょこぴょことそこら中を飛び回る姿はそれはもう愛らしい。
そうだ、この子たちにとってこんなに良い環境はないのだし、俺ももうお偉いさん方から圧を掛けられることもない。
これって結構ラッキーなのかも。
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