蜂が飛ぶ

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「かおるちゃんお疲れ。今日はもう閉めましょうか」 のりこママはさっさと閉店の準備を始めた。 「今日は三人…平日だからこんなものかしらね」 ママはため息混じりにつぶやいた。 「うちがもっと営業かけてみるから…もぅ少し頑張ろう?」 のりこママ…ママと言っても23歳。 まわりのお店が無くなっていく中、なんとかやっていけてるのはママの人気のおかげ。 「明日はママの誕生日だから、イッパイお祝いに来てくれますよ!」 「でも明日も平日、水曜日だから、みんな来にくいかなぁと思ってねぇ…」 チョット天然入ってて、オットリタイプ。でも優しくて、二つ年上のママを尊敬してる。 「ママのファン多いから、誕生日ウィーク忙しくなるよ!」 「…そうなるといいよねぇ」 二人でお店の掃除を始めた時だった。   ガチャ まだ店の鍵をかけてなかった。 「あっ…お客さん今夜は…」 入ってきたのは、高校生?童顔の男が一人… 「ごめんなさい!今夜はもう閉めようかと」 「スズメさん!?雀さんじゃない!!久しぶり!!入って!」
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