68人が本棚に入れています
本棚に追加
――桐島 涼太side――
俺は勢いよく飛び出して、ゴリラに酷似したその生き物の頭部にドロップキックをお見舞いした。
流石神様チート使用、時速300キロでのドロップキックはゴリラの頭を吹き飛ばすようだ。素晴らしい。
「フラグキターーーー!!アレ?」
俺はみてしまった、見てはいけないものを見てしまった。
俺の中の第六感が告げる、やつは……伝説のいい男だと。
青いつなぎを着こみ、下腹部まで開けられたチャック。まさしく伝説のいい男だ。
そして同時に俺はみぶるいした、なぜか、やつの見る目が、獲物を見つけた時の目だったからだ。
つまり俺はこの後、捕まって掘られる。
地面に着地した俺は、数メートル地面を滑りようやく速度がゼロになった。
そのまま、その伝説のいい男を見る。
「ウホ、イイオトコ!」
「やはりかぁぁぁぁぁ!!!」
なぜだ、こういうときは女の子であるっていうお約束じゃないのか?そこでフラグを建てるっていうお約束じゃないのか?
「さぁ、ヤ ら な い か ?」
「ヤらねぇわ!!」
俺はその場に落ちていた石をつかんで亜音速でイイオトコに向かって投げつけた。
「ウホッ!?」
運よく頭に命中し。そいつは地面に伏せた、頭からは血が流れていた。どうやら額を割ったようだ。
「あ、危ないところだった……」
俺はその場にへたり込んだ、足が掘られる恐怖に負けたようだ。もう膝がやばい。
そんな風に安堵していたのも束の間。
「グギャァァァァァァ!!」
ふたたび何者かの鳴き声が聞こえてきた。
「……信じないぞ、信じるものか」
俺はそう呟きながらその声のしたほうに歩きだした。
最初のコメントを投稿しよう!