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この目の前にいるリア充は何言ってやがるんだ?頭沸いてるるのか?それも俺が頭沸いて幻覚みてるのか?
「落ち着きましょう、そして自分の言動を確認しましょう」
この俺の反応は中々ベストじゃないだろうか、会えて自分から注意するのではなく、相手に気付かせるという上等手段。
「うん、確認したよ?」
そいつは何の異常も見せることなくケロッとした表情で答えた。
「おかしな点は見つかりましたか?」
「いいえ」
何言ってんだこいつ、怖……明らかにおかしな点があるでしょうに、主に二つほど。
「だから嘘なんてついてないよ」
鼻くそでもほじくりだしそうなくらいにけだるそうに答えた。
「……よろし、百歩いや一億歩譲ってあなたが神であると仮定しましょう、ですが証拠が無けりゃ、それはただの言葉です、証明にはならない」
おお、なかなか知的なことを言った。ような気がする。
「そうだなぁ……ふんぬらばぁ!!」
「…………」
あいた口が塞がらないとはまさにこのことじゃないだろうかと思う。
どんな掛け声だよとか、唾飛んでるんだよとか、そもそもなぜ服を破る必要があったとか、鼻水まで飛び散ってるじゃねぇかとか、その他の突っ込みを無視してしまうほどに衝撃的だった。
ーー背中から翼が生えたのだ。
「どんなトリックだよそれ……」
「やだなぁ、トリックなんてないよ、しいて言えば神様能力がタネですみたいな?」
そいつは、神はそんなことを言いながら右目を瞑り、ウィンクを決めてきた。
「……っは!お、俺は騙されないぞ?」
嘘です完璧に騙されてます、トリック分かりません。
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