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彼女の瞳が揺れていたのはいつからだろうか。
きっと、出会ったあの時から。
(キレイな色ばかりキになって、ちゃんとミてなかったな)
おそらく、彼が時折黙り込むのが自分がはっきりと話すことができないせいだと、そう思ったのだろう。
(ハナシをするときは、アイ手の目をミて…だったねセンセイ。
ボクはこの人の目をちゃんとミていなかった)
「チガうよ。ツカれてなんかない」
言葉に視線を上げると、少年の笑顔が正面から見据えてくれていた。
「だから、もっとハナそうよ。
いっぱいハナせば、ジョウズになるよ…きっと」
揺れている瞳は、少しだけ定まった。
そして彼女は力強く頷いて、再び少年の隣に並んで歩き出す。
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