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【椿】 ピンポンと鳴るチャイム。 急いで玄関に走る。 「おかえり!」 「あ、ただ、いまあ…似合う?w」 「え?あ、…う、と。髪…染めたんだ。」 戸惑いながら聞いてくる拓海が可愛い。こっちまでつられてギクシャクしてしまって、お互いに何故か固まって見つめあう。 「えー…っと、中、入れば?」 ほら。と言って家の中に入れて部屋に向かう少しのスペース。キュッと拓海の腕に抱きついてみる。 何?と聞いてくる拓海に 何でもないと答えると、不思議そうにしながら聞いてくる。 「どうしたの?」 「別に!」 なんて言葉が思わず出て、付け足したように、似合ってるなんて言ってしまう。 ホントは、格好良いとかなんとか言いたかったのに…! 「??何か言った?」 聞こえてねぇのかよ!!! 「何でもない!!」 ぷっと膨れると聞き返してくる拓海に、ますますムッとして顔を顰める。 「格好良い格好良い格好良いいいいって言ってんの!!!」 ゼィゼィ肩で息をしながら、自棄になって叫ぶ。 「でも!今日は、遅いし疲れてるだろ!ゆっくりすればいい!ってかしろ!」 ああ!もう!!なんで、こんなハズいんだ?!
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