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【誉】
「五月君、そろそろご飯食べませんか?」
ガレージで作業をしている五月君に声を掛ける。
鍵を貰って以来、五月君の家に、ほぼ毎日上がり込んでいるというのに、お互いの仕事の都合がつかず、一緒に出掛ける時間が取れずにいたが、やっとお互いに時間が取れて、明日指輪を買いに行こうと話していた。
ペアのリングを贈りたいと言っておきながら、随分な時間が経ってしまっていてるのだが仕方ない。
そこまで考えて、返事の遅い五月君に、もう一度声を掛ける。
「五月君。」
「んー?」
ポンと肩を叩くと、ようやく顔を上げて返事をする五月君に苦笑する。
「ご飯。買ってきたので食べましょう?」
「あれ?もうそんな時間?」
そう言ってパタパタと片付け始めたのを確認して先に部屋に戻る。
一人で食べる食事ほど味気ないものはない。そう思って、一緒に食事を摂るようになった。
ただし、私は料理は全く出来ないし、お互いに食に関して無頓着な為、惣菜を買ってきて食卓に並べる事が多い。
「もしかして、何回も呼んでた?ごめんねw」
「構いませんよ。お客様が増えてきた今が、大切な時期ですからね。明日、本当に出掛けて大丈夫ですか?」
「ん。大丈夫w」
「それなら良いんですが…。無理はしないでくださいね?」
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