1

6/49
前へ
/63ページ
次へ
【無限】 「いらっしゃいませ~。」 随分と派手な格好の青年が、少し間延びした声で挨拶するのを聞きながら店内に入ると、当然ながら甘い香りが押し寄せてきて、思わず眉間に皺がよりそうになったその時、いらっしゃいませと言いながら姿を現した人物を見て、ムリヤリ皺を引っ込める。 「よぉ!約束通りきたぜーwww」 「!!?約束なんてしてません!」 「wwwそう嫌うなよw」 声を掛ければ、ひどく驚いた顔。ちゃんと顔は覚えられているようだ。 「今日は可愛い耳は、出さないのか?w」 頭の上で、手を猫耳に見立ててひらひら動かしながら言ってみる。 「…っ衛生管理はちゃんとしてます!」 「別にバカにしてる訳じゃねぇよ?w …っと、そうだった。オススメ10個くらい詰めてくれ」 「…そんなに食べるんですか?」 「まさかw仕事仲間が事故ってな。大した怪我じゃねぇらしいが、一応見舞いに行くわけだwww」 ケーキを詰めている後ろ姿に声をかける。 「なぁ、今度休みいつ?どっか遊びに行かね?」 そうそう頻繁に、ケーキ屋に用なんて出来ねぇんだから、この機会逃がす訳にはいかんよねwww
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加