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【無限】
「いらっしゃいませ~。」
随分と派手な格好の青年が、少し間延びした声で挨拶するのを聞きながら店内に入ると、当然ながら甘い香りが押し寄せてきて、思わず眉間に皺がよりそうになったその時、いらっしゃいませと言いながら姿を現した人物を見て、ムリヤリ皺を引っ込める。
「よぉ!約束通りきたぜーwww」
「!!?約束なんてしてません!」
「wwwそう嫌うなよw」
声を掛ければ、ひどく驚いた顔。ちゃんと顔は覚えられているようだ。
「今日は可愛い耳は、出さないのか?w」
頭の上で、手を猫耳に見立ててひらひら動かしながら言ってみる。
「…っ衛生管理はちゃんとしてます!」
「別にバカにしてる訳じゃねぇよ?w
…っと、そうだった。オススメ10個くらい詰めてくれ」
「…そんなに食べるんですか?」
「まさかw仕事仲間が事故ってな。大した怪我じゃねぇらしいが、一応見舞いに行くわけだwww」
ケーキを詰めている後ろ姿に声をかける。
「なぁ、今度休みいつ?どっか遊びに行かね?」
そうそう頻繁に、ケーキ屋に用なんて出来ねぇんだから、この機会逃がす訳にはいかんよねwww
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